トップメッセージ

2025年度は「利益率の向上」をテーマに全力で取り組みます

 2024年度は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増大等により国内消費に回復傾向がみられた一方で、資源・原材料価格の高騰や生活必需品の価格上昇、また、人手不足の影響の深刻化等により、景気の先行き不透明感が依然継続する形となりました。
物流業界においても、半導体不況や物価高騰に起因した買い控え等による物流量の減少、その一方で、「物流の2024年問題」に象徴される輸送能力不足とコスト上昇が顕在化するなど、苦戦を強いられる状況が続いています。そうしたなか、当社グループは、主力の物流事業における3PL、4PLビジネスの獲得に加えて、2024年度はワンストップのECプラットフォームサービス「EC物流お任せくん」の本格展開を開始し、関東、関西の両地域においてEC物流対応の大規模な物流センターを開設するなど、幅広いお客様のEC物流のニーズにお応えできる体制を整えてまいりました。これら新規拠点の積極的な開発によって、グループの運営床面積は100万坪を突破いたしました。

 2024年度の連結業績については、売上高は前年同期より162億33百万円増(+3.8%)の4,481億45百万円、営業利益は同20億14百万円減(△10.2%)の177億4百万円、経常利益は同12億84百万円減(△6.5%)の184億63百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同4億37百万円減(△4.3%)の96億19百万円となりました。業績面では厳しい状況が続いており、私自身、一昨年から世界中の拠点と国内の赤字拠点を視察し、倉庫内の有効面積のフル活用やトラックの積載率向上など、利益率を高める方策がまだ途上であることを痛感しています。

 2023年度の連結業績については、前述の要因による物流量の減少とコスト増加が当社の収益の伸びを妨げた結果、売上高は前年比235億69百万円減(△5.2%)の4,319億11百万円、また営業利益は同21億24百万円減(△9.7%)の197億19百万円、経常利益は同16億56百万円減(△7.7%)の197億47百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16億75百万円減(△14.3%)の100億56百万円と、減収減益の決算となりました。

 当社グループは事業規模と事業ポートフォリオの拡充、さらに優秀な人材等を確保する手段として、M&Aを重要な成長戦略の一つと位置付けています。その一環として、2024年10月に日本精工㈱が保有するNSKロジスティックス㈱(現・SBS NSKロジスティクス㈱)株式の66.61%を譲受し、さらに2024年12月にはオランダに本拠を構える3PL企業グループ(ズワルウグループ)の持株会社であるブラックバード ロジスティクスB.V.の株式取得契約を締結するなど、国内外を問わず、より付加価値の高い総合的な物流サービスを提供できる体制の構築を図っております。2025年度は、こうした成果を取り込みつつ、先に述べたような地道な方策を着実に積み重ねながら、利益率の向上をテーマに取り組んでまいります。

 一方で、利益の追求のみならず、環境への配慮やコンプライアンス遵守、多様化する顧客の物流ニーズへの対応など、社会からの要請に応えることができなければ、企業が存続することは叶いません。当社グループでは、こうした変化をむしろビジネス拡大のチャンスと捉え、全社的なコンプライアンス教育の推進やEVトラック導入の加速、ラストワンマイルでの置き配サービス本格導入などの取り組みを進めており、今後も社会からの要請に柔軟に対応してまいります。株主の皆様には、当社の事業活動と成長戦略にご理解をいただき、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

SBSホールディングス株式会社
代表取締役社長
SBSグループ代表:鎌田 正彦

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